[記事] 本当に正しい評価? 来季、TGMGPのシートを失った3人のパフォーマンスを分析。

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TGRが2026年のSF体制発表を行い、2025年に KDDI TGMGP TGR-DC をドライブした小高一斗、野中誠太、平良響が揃ってシートを失った。

シート喪失に疑問の声が多く見て取れるが、果たして妥当な判断であるのか。今回はパフォーマンスの観点から検証する。

予選1発の大きな遅れが致命的に

画像 / SF ZERO

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シーズンを大まかに振り返ると、開幕の鈴鹿はまずまずだったが早々に大失速。R8SUGOで復調の兆しを見せ、最終大会の鈴鹿でも速さは示したものの、結果には結びつかなかった。

序盤戦~中盤戦で大苦戦を招いた最大の要因は予選1発の速さだった。R1鈴鹿こそ小高一斗が惜しくも7番手でQ2進出を逃したが、それ以降〜中盤戦あたりは悲惨な状況が続いた。

例えば、R3もてぎで平良響が1.480秒、R4もてぎで小高一斗が0.721秒、平良響が0.918秒、R7富士で小高一斗が0.636秒届かずQ1敗退。これらはいずれも「Q1カットライン」に対しての遅れであり、Q2進出が非現実的な状況にいた。

画像 / SF ZERO

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確かに、ドライバーの実力によってコンマ数秒を詰める余地はあったかもしれない。しかし、基本的にこれらの差はドライバー個人だけで埋められるものではないと推測できる。

予選で後方に沈むことで、決勝レースでは抜け出せずに終わることは定番だ。その中でTGMGPはレースペース自体にも苦しんでいた。

それが如実に表されたのがR5オートポリスだ。レース中盤、ステイアウトしていた平良響はSC導入のタイミングでピットイン。ニュータイヤで反撃を狙ったが、最終的には自分たちよりもユーズドタイヤのライバルに先行を許して終えた。

好調もチャンスが水の泡と化す

画像 / 日本レースプロモーション (JRP)

転機が訪れたのはR8SUGO。ここからR9-10富士、R10-11-12富士と、終盤戦で徐々に調子を上げていったものの、訪れたチャンスは水の泡と化した。

R8SUGOはFP1で好調を示して予選を迎えるも、アタックラップのT3で大嶋和也のスピンに巻き込まれるかたちでQ1敗退。セクター4では全体ベストをマークしており、Q2進出は確実だった。

R10富士の予選では小高一斗がカットラインに惜しくも0.107秒届かずQ1敗退。代替開催となったR10鈴鹿で予選13番手から挑むも、決勝レースはレースペースがなく順位を落として終わった。

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R11鈴鹿では小高一斗がQ2進出を果たすも、決勝レースはフォーメーションラップでスロットル系のトラブルでストップ。レースをする機会すら与えられなかった。

R12鈴鹿では今度は野中誠太がQ2進出を果たすと、決勝レースもレースペースよく周回。しかし、大湯都史樹とのバトル中にT16-17 (Astemoシケイン) でクラッシュしてDNFに終わった。

また、小高一斗もQ1突破は果たせなかったものの予選14番手。決勝レースではレースペースよく挽回し、10位の野尻智紀まで0.660秒まで迫った。

このように速さはあるが、ポイント獲得が現実的な場面においてチャンスを逃す機会が多く、活かすことができない終盤戦となってしまった。

クラッシュ多発も頻度は少ない?

画像 / 日本レースプロモーション (JRP)

ドライバーに目を向けると、シーズンを通して発生したクラッシュは計4回 (小高一斗1回、野中誠太1回、平良響2回) 。そのうち、明確なドライバーのミスが2回、避けられたものが2回だ。

明確なミスとして挙げられるのは、R1鈴鹿で小高一斗がT4 (S字) で大湯都史樹と接触してクラッシュしたケースと、R4もてぎのスタート直後、T1で平良響が三宅淳詞と高星明誠を巻き込んだインシデントである。

一方、避けられたと考えられるのが、R1鈴鹿での平良響と福住仁嶺、そしてR12鈴鹿での野中誠太と大湯都史樹によるクラッシュ。いずれもT16-17 (Astemoシケイン) で起き、ペナルティは科されなかったものの、防げた余地はあった。

とはいえ裏を返せば、シーズンを通して明確なドライバーのミスは2回だけだったとも言える。避けられたアクシデントも含めて頻発していたわけではない。

マシンが左右した側面が大

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シーズンの大半はマシンのパフォーマンス不足が影響していたわけだが、好調な時には速さを見せていた中でのシート喪失という結末には、やはり疑問が残る結果となった。

特に、小高一斗はチーム状況を踏まえてもポジティブだったと言える。R8SUGOの予選Q1、R10富士の予選、R11鈴鹿のQ2進出、R12鈴鹿の中団を争えるレベルの予選とレースペースと、好調だった終盤戦では速さを示せていた。

平良響と野中誠太もルーキーとして限られたシーズンで、シートを失うほど決定的に不足したパフォーマンスだったとは言い難い。それぞれ出走はシーズンの半分のみ、加えて平良響はチームの大低迷期と重なっている。

もちろん、予選1発のまとめ方やバトルなどの面において、ドライバーが十分に活かし切れなかった局面も見て取れた。ただ、チーム自体の低迷期が続いたことを踏まえると、2025年の結果のみで評価を下すには時期尚早ではないだろうか。

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