[記事] 37号車に1勝届けたS.フェネストラズ。来季はタイトル争いできる?

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2025年、Formula Eの舞台からSFへと主戦場を戻し、VANTELINE TEAM TOM‘Sから戦ったサッシャ・フェネストラズ。

彼がステアリングを握った37号車 (正確には近年、笹原右京やジュリアーノ・アレジがドライブした体制) は2022年辺りから後方争いの常連と化し、もう1台のTOM’Sとは正反対のシーズンを送っていた。

そんな中、今季からサッシャ・フェネストラズが加入すると1勝を飾ってランキング8位を獲得する活躍っぷりを披露した。果たして、上昇中の37号車は2026年にタイトルを争うことはできるのだろうか。今シーズンを振り返り、分析する。

王者・坪井翔を凌駕する場面も

画像 / SF ZERO

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サッシャ・フェネストラズは開幕を告げるR1鈴鹿の予選にて、アタックラップのT2でスピンを喫してQ1敗退の最後列22番手に。

約2年ぶりとなるハイダウンフォースのSFマシンにまだ完全に適応できていない様子が伺えたが、それでもすぐに結果を残してみせた。

R2鈴鹿でQ1突破を果たすと、早くもR3-4もてぎでいずれもチームメイトの坪井翔を上回る予選5番手を獲得。レースペースは厳しかったが、アンダーカットの戦略が功を奏して8位&4位で11ポイントをもたらした。

R5APとR6富士では2連勝を飾った坪井翔に対して対照的なリザルトに終わり、予選でも中団に沈むことが多かったが、SCを味方にR7富士で5位入賞。このR6-7富士でレースペースが良く、既にポジティブな兆候が見られていた。

すると、R8SUGOを皮切りに躍進を遂げた。

画像 / SF ZERO

R8SUGOのドライの予選で坪井翔を0.040秒上回る2番手につけると、雨の決勝レースでも守って2位表彰台を獲得。続くR9富士のウエットの予選でも0.156秒上回りPPを獲ると、決勝レースはSCランのまま終わり優勝を手中におさめた。

ただ、優勝を果たした翌日のR9富士は予選Q1のT4-5 (グリーンファイト100R) 先でスピンを喫して17番手に。その予選結果が反映されたR10鈴鹿の決勝レースは17位となったが、最終大会の鈴鹿もチームメイトに対しては悪くない結果だった。

実際に予選を見ると、R11鈴鹿が0.504秒差で上回り、R12鈴鹿も0.154秒差と肉薄していた。残念ながら決勝レースはR11鈴鹿がダブルピットによる影響で8位、R12鈴鹿が微妙なタイミングでのアンダーカットが響いて12位だった。

R10-11-12鈴鹿はホンダエンジン勢が圧倒的なマージンを誇っていた。トータルでそこにトヨタエンジン勢として続いたのがTOM‘Sであり、レースペースでも坪井翔に対して大きな差がなかったことを考えると、評価に値するといえる。

土台づくりは○、必要なのは安定感

画像 / 日本レースプロモーション (JRP)

終盤戦はドライでもウエットでも1発の速さを発揮し、レースペースでも好調さをアピールして見せたサッシャ・フェネストラズ。速さという点において「土台」は明確に築けている。

しかし、タイトル争いに加わるには、トヨタエンジンのパフォーマンスという外的要因も無視できない。一方で内的要因に目を向けると、安定感がまだまだ不足していることも明らかだ。

タイトルを争う坪井翔は、ホンダエンジン勢に対して予選で中団に沈むことが多々あった。だが、苦しい中でもスタート、レースペース、ピット作業、戦略といった複数の要素を味方につけ、追い上げのレースを可能にした。

特に強力なレースペースが際立っていた。予選で沈んでもオーバーカットを狙ってステイアウトを選択。速いレースペースで終盤まで引っ張り、最後はニュータイヤで一気に攻める展開を作り出していた。

画像 / 日本レースプロモーション (JRP)

そのため37号車にとっては、こういったレースができるポテンシャルのあるマシンをかたちにできれば、堅実にポイントを積み重ねることができるだろう。強力なレースペースがあれば状況は一気に好転する。

そして、R8SUGOやR9富士のように純粋な速さで随所にトップ争いを展開し、大量ポイントを積み上げることができれば、タイトル争いも現実味を帯びてくる。

2025年の王者に輝いた岩佐歩夢は常に表彰台圏内を争うパフォーマンスを持ち合わせていたことからも、タイトル争いの挑戦がそう簡単でないことは確かだ。

それでも、37号車をわずか1年足らずで中団〜後方からトップ争いへと引き上げたサッシャ・フェネストラズであれば、「何かやってくれるかもしれない」と期待を抱かせてくれる。

スタートの課題は徹底改善!

画像 / 日本レースプロモーション (JRP)

1点、37号車陣営として徹底的に改善すべき問題がある。それがスタートだ。

今季のサッシャ・フェネストラズは、R5APでスタート時にトラブルに見舞われてストップ。予選5番手を獲得したR3もてぎでもストール気味となって5ポジションダウンを余儀なくされた。

その他のレースでも、R2鈴鹿、R4もてぎ、R6富士、R7富士、R10鈴鹿、R11鈴鹿、R12鈴鹿とほぼ全てのスタートでライバルに対してワンテンポ反応が遅れており、常に先行を許してしまっている。

画像 / SFgo

唯一、まともにスタートできたR1鈴鹿でさえ加速が僅かに遅れており、ポジションは上げられていない。

ここまでの確率でスタートで失敗しているとなると、ドライバー以外の原因に疑いの目を向けざるを得ない状況だ。

2位のR8SUGOはSCスタート、優勝のR9富士はSCラン終了と、従来のスタンディングスタートは採用されなかった。仮にスタンディングスタートであった場合、結果は違っていた可能性も否定できない。

スタート直後は最もポジションを上げやすい局面であり、その後のレース展開を大きく左右する重要な要素だ。早急な改善が求められる。

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