年が明け、2026年という数字が新シーズンの到来を予感させる。新王者・岩佐歩夢を中心に始まる2026年シーズンの「トップチーム争い」はこれまでと同じ勢力図が維持されるのだろうか。
トップ「4」チームへ拡大か?

画像 / 日本レースプロモーション (JRP)
2022年のR9鈴鹿からMUGEN、TOM‘S、DANDELIONのトップ3チームと呼ばれるメンバーだけが勝利を挙げてきた。
しかし、2025年のR10鈴鹿でトップ3チームの連勝を30戦でストップさせるチームが現れた。それがNAKAJIMAだ。
イゴール・フラガによって優勝を手にしたNAKAJIMAは、ここ数年トップ3チームの間に入ることが多かった。2025年はホンダエンジン勢が優勢な涼しい時期の鈴鹿で特に速さを示し、結果も出したことで今季に向けて「トップ4チーム」へ変化する可能性が囁かれている。

画像 / SF ZERO

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ただ、トップ4チームの仲間入りを果たしたからといって、タイトル争いをも視野に入れるのは時期尚早だろう。
なぜなら、NAKAJIMAは2025年に限らず夏の暑い時期を不得意としており、ドライバーとチームによるミスも多い。加えて、FP1の好感触を予選で引き出せないなど浮き沈みが大きいのだ。
トップを争えるベースのパフォーマンスを維持し、ミスや浮き沈みをなくして夏でも争えた暁には。NAKAJIMAの進化が2026年のトップチーム勢力図における最大のサプライズとなるだろう。
リザルト以上に強い岩佐歩夢

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最終大会R10-11-12鈴鹿で大逆転ドラマを演じて、SF新王者の称号を手中に収めた岩佐歩夢とMUGEN。このタッグはリザルト以上の強さを持ち合わせている。
2025年の15号車陣営はR8SUGOの優勝を含めた7回の表彰台を獲得。どこのサーキットでも、どんなコンディションでも常に速いことが武器だった。予選で中団に沈んだ際も、強力なレースペースとオーバーカットの戦略で挽回して見せた。
一方でシーズンを振り返ると、3回のDNFを喫しており、4回のレースを失うなど完璧とは言えないタイトルへの道のりだった。

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いくつか例を挙げると、R3もてぎで4番手走行中にギアシフトユニット内部のトラブルでDNF、R5APでトップ走行中にタイヤが離脱してDNF。この2戦はドライバー以外の外的要因のものであり、28pt (優勝20pt+4位8pt) を失った。
もちろんドライバーが防げた内的要因も多々ある。例えば、R1鈴鹿で0.197秒届かず2位、R9富士でPP目前もクラッシュして赤旗要因でタイム抹消&エンジン交換で降格、R11鈴鹿でPPからオープニングラップでクラッシュ。失ったポイントは計り知れない。
これらはタラレバではあるが、常にトップ3を争える高次元なパフォーマンスをもっていたことが分かる。つまり、本来であれば他を寄せ付けないほど圧倒的だったということだ。
チームメイトの野尻智紀も序盤戦こそ苦戦したが、R5APを機に復活の傾向が見て取れた。得意の予選1発に加えて、岩佐歩夢のように中団からでも挽回できるレースペースと戦略があればMUGENはさらに脅威となり得る。
課題を抱える2チームたち

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2年連続でチームチャンピオンを獲得したDANDELION、2台揃って上位を戦えるようになったTOM‘Sは、いずれも手にした称号とは裏腹に課題を抱えている。
まず、DANDELIONは予選1発だ。2025年はチームとして牧野任祐が2回のPPを獲得したわけだが、R11-12鈴鹿のようなここぞという場面ではMUGENに先行を許した。
そのMUGENは野尻智紀が4回、岩佐歩夢が3回と計7回のPPを記録している。DANDELIONとしても牧野任祐と太田格之進というノリに乗るスピードスターの2人を擁しているだけに、強みを活かしたいところだ。

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続いて、TOM‘Sはトヨタエンジンのパフォーマンスだ。前述にもあった通り、涼しい時期にホンダエンジンは圧倒的なパフォーマンスを誇る。この影響で坪井翔は最終大会のR10-11-12鈴鹿でタイトルを逃したと言っても過言ではない。
スタート、レースペース、オーバーテイク、戦略、ピット作業など総合力で中団からでも追い上げを成功させるTOM‘S陣営。とはいえ、2025年のような状況が続けばタイトル争いは苦しくなるため、改善が鍵を握ることになりそうだ。
DANDELIONとTOM’Sはともに抱えた課題をクリアすることができれば、2026年は恐れることなくトップ争い、タイトル争いを繰り広げられるのではないだろうか。それだけMUGEN × 岩佐歩夢はズバ抜けているという表しでもある。
ダークホースの候補も!

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結局のところ、2026年のトップチーム争いがどのような構図になるかは、シーズンの開幕を迎えてみないと分からず、突き詰めればシーズンを終えて初めて見えてくるものだ。
だが、既にダークホースの候補も存在する。筆頭なのが、成長著しいROOKIEに移籍する福住仁嶺、中団トップを争うKCMGに移籍する山下健太だ。彼らは1発の速さだけでなく強さにも磨きがかかっている。12月の鈴鹿テストでも好感触を得ている様子で楽しみな存在だ。
「最恐」とも表現できる新王者・岩佐歩夢が率いるMUGENを打ち破る存在は出現するのだろうか。その座に挑むトップチーム、そしてダークホースによる争いは、2025年以上に熾烈なものとなるかもしれない。



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