2026年シーズンのSFは、4月の開幕戦がもてぎに変更され、鈴鹿が5月の3大会目へと移ることが明らかになっている。これらの影響により、勢力図に変化が起きる可能性が推測される。
涼しい鈴鹿 × ホンダエンジン

画像 / 日本レースプロモーション (JRP)
もてぎが開幕戦として設定されるのは2020年以来6年ぶりの出来事。当時はコロナ禍の影響によるもので、本来は鈴鹿での開幕が予定されていた。それを除くと、もてぎでの開幕は2005年のフォーミュラ・ニッポンまで遡る必要がある。
近年を振り返ると、2024年と2025年は鈴鹿が開幕戦の舞台として用意されていた。鈴鹿は最終戦の開催地でもあるが、開幕戦が行われる3〜4月、そして最終戦が行われる11月はいずれも涼しい時期にあたる。そのコンディション下を大得意とするのがホンダエンジンだった。
実際、2023年のR8-9から始まり、2024年R1、R8-9、2025年R1-2、R10-11-12とホンダエンジン勢は今に至るまでに鈴鹿で10連勝を飾っている。直近のR10-11-12鈴鹿では全ての表彰台を独占しており、その速さは圧倒的なものだった。
ホンダエンジンの優位性が減?

画像 / 日本レースプロモーション (JRP)
2026年は5月23日〜25日にR4-5で予定されている鈴鹿。5月後半ということで、春の終わりから初夏の入り口あたりの季節感が予想される。つまり、これまでホンダエンジンが得意としていた “涼しい鈴鹿” にはならないということだ。
2023年はR3鈴鹿が4月下旬に開催されたわけだが、決勝レースは大湯都史樹と野尻智紀のクラッシュやSCのタイミングによる恩恵があったとはいえ、宮田莉朋が初優勝、坪井翔が2位、平川亮が3位と表彰台をトヨタエンジン勢が独占した。今年はそのときよりも気温が高くなることを考えると、トヨタエンジン勢もホンダエンジン勢と互角に戦えるのではないかという推測だ。
であれば、鈴鹿に代わって4月3日〜5日に開幕するもてぎでホンダエンジンが優位に立つと考えるのが自然だろう。しかし、それぞれのサーキット特性を踏まえると、状況はそれほど単純ではないことが分かる。

画像 / 日本レースプロモーション (JRP)
というのも、鈴鹿は高ダウンフォースサーキットであるうえに、高速コーナーが連続するレイアウトとなっている。よって、エンジンに負荷がかかりやすくパワーが求められるため、エンジン性能の差が出やすい特徴をもっているのだ。
一方のもてぎはストップアンドゴーのサーキット。全開率も低く、鈴鹿ほどエンジン性能の差が結果に結び付かないと考えられる。そのため、従来のようなホンダエンジンの優位性は、11月のR11-12鈴鹿に留まる (場合によっては10月のR9-10富士も) 可能性がある。
トヨタエンジン勢に朗報か?

画像 / 日本レースプロモーション (JRP)
当然、この状況はトヨタエンジン勢に朗報だ。その中でも特に、タイトル争い筆頭候補である坪井翔にとっては大きなプラス要素となり得る。
2024年にタイトルを獲得した坪井翔だが、涼しい時期の鈴鹿は何とか凌いで、得意とする富士をはじめとしたサーキットで大量ポイントを稼ぐのが主流だった。そして、2025年は最終盤の鈴鹿が3レースになったことに加えて、ホンダエンジン勢に対して全く太刀打ちできない状況だっただけにタイトルを逃した。
このように、ホンダエンジン優位の条件が減少するのであれば、坪井翔にとって追い風となる可能性がある。シーズン全体で見ればたった2戦の話だが、タイトル争いの上では流れを左右する要因のひとつとなるかもしれない。



コメント