TGRが2026年のSF体制発表を行い、山下健太が KONDO RACING 3号車 から、 Kids com Team KCMG 8号車 に移籍することが正式発表された。今回はその背景と、KCMGでの期待を解説する。
9年間に渡るKONDOでの軌跡

画像 / 日本レースプロモーション (JRP)
山下健太は2017年のデビュー以来、一貫してKONDOから参戦してきた。つまり、SFキャリアにおいては今回が初移籍となる。
そんなKONDOでの9年間は苦悩の連続だった。
ルーキーイヤーの2017年Rd.4もてぎで初PPを獲得すると、2019年Rd.6岡山で初優勝を達成。同年にはGT500でタイトルも獲るなど「爆発的な速さと強さ」を武器に存在感を示していた。
だが、突如として大苦戦。特に2021年と2022年の2年間、3号車陣営はセットアップに手を加えても全く手応えを掴めない不可解な状況に陥り、トップ争いどころかポイント争いすらも難しい時が続いた。その結果、2022年は屈辱のドライバーズランキング15位に終わった。

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変化を求めて、2020年に頂点を目指して自ら招聘した阿部和也エンジニアとも2022年限りでコンビを解消。SF23導入という新時代に向けて再起を誓ったが、今度は開幕前のGT500テスト中に大クラッシュを喫し、長期の治療とリハビリを余儀なくされた。
それでも、山下健太は2023年Rd.2富士で3位を獲得して復活の兆しを見せた。ただ、その後はシーズンに数戦、表彰台争いに加わるのが精一杯。
2025年はRd.4もてぎで6年ぶり優勝のチャンスが訪れるも、タイヤ離脱のトラブルで後退。続くRd.5オートポリスでは3位に上がったが、シーズンを終えるとチームランキングは7位。基本的に中団トップ争いすらもできない状態にいた。
そして遂に、2026年に向けて移籍が決定。常日頃から「成績が出なくても起用してくれている近藤真彦監督に恩返しがしたい」と語っていた中でのチーム離脱となった。
中団トップ争うKCMGへ!

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新たな活躍の場となるKCMGは、勝利はないものの2024年に体制強化を測って以来、中団トップを争うまでに成長した上昇中のチームだ。
2024年はトップ3チームに続くチームランキング4位、2025年も中団トップ争いを繰り広げてチームランキング5位という実績を残した。TGR勢ではTOM‘Sに続く2番手に位置づけている。
その意味でも、山下健太は少なくとも表彰台圏内〜中団上位を争う機会が多い環境でレースを戦えるはずだ。これは今のKONDOで成し遂げられることではなく、KCMGに移籍するからこそ得られる可能性であり、理由であるだろう。
2025年のRd.4もてぎのPPを1つ例にとっても、山下健太の速さが決して失われていないことは明らかだ。環境さえ整えば、上位争いへ加わるだけのポテンシャルを持ち合わせているだけに、KCMGで「結果」を残したいところだ。
テストは好感触もまだまだ未知数

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鈴鹿で実施された12月の合同テストではKCMGをドライブし、既に好感触を得た山下健太。そのコメントからは、かなりポジティブな雰囲気が感じ取れた。
一方で、不安要素も捨てきれない。
チームメイトはカッレ・ロバンペラとなる。フォーミュラ経験がほぼない点に加え、合同テストをドクターストップにより欠場したことを踏まえると、序盤戦は苦戦を強いられる可能性が高い。少なくともデータ共有の面では、受け取る側に回る状況にはなりにくいだろう。
2026年はドライバーラインナップが完全刷新されるだけに、まだまだ未知数な部分が多い。
再起へ向け、いざ挑む

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上位争いから遠ざかっていた山下健太を、TGR勢2番手のKCMGに配置した判断からは、彼に対するTGRの評価と期待の高さが伺える。
山下健太は2026年でキャリア10年目。山本尚貴が15年、国本雄資が14年で引退を決断したことから考えても、折り返し地点を迎えていることは確かだ。
新天地で再起を期す山下健太が、KCMGで「SFキャリア第2章」を花開かせることができるのか。
KCMGに初優勝をもたらすドライバーは、山下健太となるかもしれない。



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